【初心者向け】失敗しないテントの選び方!基礎から徹底解説

初心者向け

キャンプを楽しむうえで欠かせないテント。これからキャンプを始める人にとっては、どんなテントがあるのか、何を軸にして選べばいいのか難しいですよね。

この記事では、そんな初心者キャンパーの皆さんが最初のテント選びで失敗しないように、テントに関する基礎知識と、テントを選ぶときのポイントについて徹底的に解説していきます!

こんな人に読んでほしい
  • これからキャンプを始めたい
  • テントについて基礎から詳しく知りたい
  • テントを選ぶ時のポイントが知りたい

テントの種類

テントは形状・構造で大まかに分類することができ、設営の難易度や想定している利用形態が異なります。まずはそれぞれの形状ごとの特徴とメリット・デメリットを紹介します。

ワンポールテント

ワンポールテント
メリット
  • 設営が簡単
  • 軽量でコンパクト
デメリット
  • 天井が低い
  • ポールが邪魔になる

ワンポールテントは、テントの中央をポールで支える形のテントです。パーツがシンプルで少ないため設営・撤収が簡単で、収納するとコンパクトにまとまり、軽量で持ち運びにも便利です。

一方で、ワンポールテントはその構造上、壁が傾斜しており外側は天井高が低くなるため、屈んで行動しなければいけないなどの窮屈さがあります。また、一番天井が高い中央部分にポールが立っているため、物が置けなかったり移動の邪魔になったりするというデメリットがあります。

ドームテント

ドームテント
メリット
  • 空間が広い
  • 自立する
デメリット
  • 設営が大変
  • パーツが多くかさばる

ドームテントは、複数のフレームを交差させてドームの形に組み上げるテントです。

天井が半球状になっているため、ワンポールテントに比べて室内の空間を広く使えます。また、フレームによってテント自体が自立しているため、ペグを地面に打たなくても使用できたり、組み上げた後の位置の調整ができるのが特徴です。

ドームテントはテントの中で最もポピュラーで、商品展開のバリエーションも豊富にあるため、お気に入りの商品を見つけやすいと思います。

一方、複数のポールで立ち上げる構造のため、サイズの割にパーツが多くなりかさばります。また、そのポールをスリーブに通して交差させながら弓なりに張る必要があるため、一人で設営するのにはコツが必要であるという点には注意が必要です。

2ルームテント

ドームテント
メリット
  • 空間がスッキリする
  • 雨が入りづらい
デメリット
  • パーツが多くかさばる
  • 設営・撤収が大変

2ルームテントは、ドームテントの外幕を延長してリビングと寝室の2室を用意できるテントです。

広い居住スペースを確保できるだけでなく、用途の異なる2室を分けることでスッキリとした空間をデザインすることができます。また、タープを使用するのに比べて、2ルームテントではリビング部分に雨や風が入ってこないのもメリットです。

ただし、サイズが大きい分パーツが多くなるため重量が重くなることや、設営や撤収が非常に大変であることから、初心者が購入後に後悔してしまうケースが多いようです。

トンネルテント

ドームテント
メリット
  • 居住空間が広い
  • 設営が簡単
デメリット
  • 区画に入らない可能性がある
  • 横風に弱い

トンネルテントは、半円柱を倒したような、名前の通りトンネル型のテントです。

居住空間を広く確保することができ、インナーテントを設置すれば2ルームテントのようにもなります。また、サイズの割に意外にも簡単に設営できるのも強みの一つです。

一方、テント自体が大きくキャンプ場の区画に収まらない可能性があるため、あらかじめ区画サイズの確認が必要になります。またトンネルテントは壁が垂直に立ち上がっており、横風を受ける面積が広くなるため、耐風性を上げるためにはしっかりと補強をしなければいけません。

ワンタッチテント

ドームテント
メリット
  • 設営が超簡単
  • 安価
デメリット
  • 強度が低い
  • 機能性に劣る

ワンタッチテントは、傘を開くようにして簡単に組み立てることができるテントです。

生地とポールが初めから一体化しているため、手間が少なく初心者でも超簡単に設営ができます。また他のテントに比べて安価に購入できるのも大きなメリットです。

ただし、ワンタッチテントは簡単な構造がゆえに強度が低くなりがちなのが難点です。また、耐水圧の低さ、結露のしやすさ、換気性能の悪さなどの機能面においても、どうしても他のテントと比べて劣ってしまうのが現実です。

ロッジ型テント

ロッジ型テント
メリット
  • 天井高が高い
  • 設営が簡単
デメリット
  • パーツが重い
  • 横風に弱い

ロッジ型テントは壁が垂直に立ち上がった箱型のテントです。

他のテントに比べて高い天井高を確保することができるため、今日住空間の快適性が非常に高くなります。また、鉄骨フレームの上にシートをかぶせるような構造のため、サイズの割に初心者でも簡単に設営することができます。

ただし鉄骨フレームなのでパーツの総重量がかなり重くなるため、持ち運びは非常に大変です。また、壁面積が大きく風の影響を受けやすいため、耐風対策はしっかりと行わないといけません。

その他特殊型テント

ポップアップテント

ポップアップテントは袋から取り出すだけで勝手に立ち上がるテントです。ワンタッチテントよりもさらに簡単ですが、その分強度は低いため、ビーチやピクニックでの使用にとどめておくのがよいと思います。

ベルテント

ベルテントはワンポールテントの端部に壁が立ち上がったモンゴルの「ゲル」のような形のテントです。ワンポールテントよりも天井が高く居住空間の快適性が向上しますが、重くなったり打つペグの本数が多くなるのが欠点です。

パップテント

パップテントは左右に建てたポールにシートを掛けたようなA型テントで、もともとは軍隊の軍幕をルーツとしています。無骨なデザインとシンプルな構造が人気ですが、ソロか2人用の商品がほとんどで家族や大人数での利用は難しいです。

ベイカーテント

ベイカーテントはパップテントに前室を設けたような形になっています。居住域が広く快適に過ごせますが、収納サイズや重量が大きくなってしまうというデメリットもあります。

シェルターテント

シェルターテントは床のないテントのことを指しており、形状は様々です。壁がある分タープよりも雨や風を防ぐことができますが、断熱性や防虫性能は低いです。

テントの素材

生地

ポリエステル

ポリエステル生地は石油から作られた合成繊維「ポリエステル」を原料とする繊維で作られた生地です。衣料品の素材としても知られており、合成繊維の中では最もポピュラーな材料です。

軽量で耐久性が高く、摩耗や赤外線での劣化を起こしにくいのが特徴です。また、吸水性が低く速乾性に優れているため、雨天での使用後も乾燥の手間が小さいです。

一方、耐熱性に劣るため焚き火の火の粉で簡単に穴が開いてしまったり、通気性が悪くテント内で結露を起こしやすいです。さらに防水のポリウレタンコーティングが加水分解を起こし、生地がベタつくなどの現象が発生します。

加水分解とは?
物質が水と反応することで分解される化学反応のことで、特にウレタンなどの高分子材料は水や空気中の水分と反応して時間とともに劣化してしまいます。

ナイロン

ナイロンは石油から作られた合成繊維「ポリアミド」を原料とする繊維で作られた生地です。

耐久性が高く、ポリエステルよりも軽い生地です。また、耐水性や防水性が高く速乾性にも優れているのも強みです。

一方、紫外線への抵抗力が低いため、コーティング加工をしているものがほとんどです。比較的高価になりやすい傾向にあります。最大の欠点は熱に弱いことで、焚き火の火の粉が飛ぶと簡単に穴がいてしまいます。

ナイロンにシリコンコーティングを施した「シルナイロン」と呼ばれる素材もあります。

コットン

コットンは綿を原料とした天然素材で、手触りがよくその素朴さがアウトドアシーンによく似合います。

通気性と吸湿性に優れ、室内を快適な環境に保ちやすく、断熱性が高いため結露しにくいのもメリットです。また耐熱性が高く、焚き火の火の粉が飛んでも穴が開きにくいという特徴もあります。

一方、吸水しやすく乾きにくいためカビが生えやすいです。また、虫害に会いやすいというデメリットもあり、メンテナンスに手間がかかるのが難点です。

ポリコットン(TC)

ポリコットン(TC)はポリエステル糸(Tetoron)コットン(Cotton)を混ぜて作られた混紡生地です。ポリエステルとコットンのいいとこどりをした特徴を持っています。

耐水圧、透湿性に優れ、結露が発生しにくいです。耐久性も高く長く使用することができます。耐熱性にも優れているため、焚き火の近くでも使用することができます。

ただし、ポリエステル100%の生地よりも重くなってしまうこと、高級志向で価格が高くなってしまうという点はデメリットに感じてしまう人もいるでしょう。

おまけ:ダイニーマ

ダイニーマはオランダのAvient社(旧DSM社)が開発した「超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)」繊維の商標名です。

防弾ベストに採用されるほどの強度と、水にも浮くほどの軽さをあわせ持ち、防水性や耐候性にも優れています。

一方、通気性が悪く耐熱性も低いというデメリットがあります。また、加工が難しく製造コストが高くいため、価格も高価になります。

ポール

スチール

スチール(鉄)は、コスパが良く耐久性に優れますが、重量が重くなる点と錆びやすいためメンテナンスが必要になる点に注意してください。

アルミニウム

アルミニウムは、非常に軽く錆びにくいという特徴があります。耐久性はスチールより劣りますが、その分厚みを持たせた商品もあります。

アルミニウム合金

アルミニウム合金は、純粋なアルミニウムに他の金属を含ませて強度を上げた素材です。アルミニウムの軽さと鋼のような耐久力を兼ね備えていますが、高価なものが多いです。

FRP

FRPはガラス繊維とプラスチックを混ぜて強度を高めた「繊維強化プラスチック」と呼ばれる素材です。弾性に優れ価格も安価ですが、厚みをもたせて強度を出すため重くなりやすいです。

テントの機能性

耐水圧

耐水圧とは「テント生地に水がどれくらい染み込みにくいか」を示す指標です。耐水圧が高いほど、高圧下でも水が染み込まない=耐水性が高い、ということを意味します。

耐水圧の目安は、500mmで小雨、1000mmで普通の雨、1500mmで大雨に耐えられる程度とされています。

雨が当たるフライシートやタープの性能値は、天気のいい日にしかキャンプをしない場合は1000mm以上、雨の日でもキャンプを楽しみたい方は1500mm以上を選んでおくと良いと思います。

撥水

撥水とは「水を弾いて生地の中に染み込むのを防ぐ」性質のことを指します。フライシート等の生地表面にコーティング加工を施すことで効果を発揮します。

主にフッ素系シリコン系の撥水コーティングがありフッ素系のほうが安価ですが、シリコン系の方が長持ちします。

防水

防水とは「生地の隙間を埋めて水が通るのを防ぐ」性質のことを指します。生地裏面にウレタン樹脂でコーティングをしたり、水を通しにくいフィルムを貼る加工をすることで効果を発揮します。

耐水圧は防水効果を数値化した指標で、撥水効果とは直接関係はありません。

難燃性

テント生地の素材によっては焚き火の火の粉で簡単に穴が空いてしまうので、焚き火を楽しみたい人は重視したいポイントです。

換気性能

テントの換気性能が悪いと、熱や湿気がこもって室内が不快になったり、結露が発生したり、冬場にテント内でストーブなどを使用すると一酸化炭素中毒になる危険もあります。

ベンチレーション(換気窓)が付いていたり、サーキュレーターを活用してテント内の空気を外に排出できる構造になっているかが重要です。

耐風性

テントの耐風性は大きく2通りの方法で計画されます。テントを低重心で丸みの帯びた形状にして風を受け流す方法と、フレームの強度を上げて風に耐える方法です。

風速が5m/sを超えると徐々に危険度が増し、7m/s以上では設営や撤収が困難なほど強い風となります。

テントの選び方のポイント

テントを選ぶ際は、下記項目がポイントです。

  • 人数
  • 季節
  • 価格
  • デザイン

人数で選ぶ

テントは使用人数+1,2人のサイズを選ぶと、テント内のスペースに余裕が生まれて快適に過ごせます。また荷物を並べたり、冬場には大きめの暖房器具を置くこともできるのでおすすめです。

季節で選ぶ

夏にキャンプをする場合は、ポリエステルやナイロンなどの通気性が高い生地や、メッシュやベンチレーションなどの換気性能が良い構造のテントを選ぶと、内部に熱や湿気がこもらず快適に過ごせます。

冬にキャンプをする場合は、コットンやポリコットンなどの厚手の生地や、フライシートにスカートが付いたテントを選ぶと、外の冷気が入り込むのを防いで高い保温効果を発揮します。スカートがないテントは基本的に春夏秋の3シーズン用となります。3シーズン用テントでも、石油ストーブや薪ストーブなどの暖房器具を利用することで、冬場でも使用できる可能性があります。

石油ストーブや薪ストーブを使う場合は、テント内の十分な換気を行うとともに、必ず一酸化炭素濃度計を使用するようにしましょう。

価格で選ぶ

無理なくキャンプを始めるために、予算に合わせたテントを選ぶのも重要です。テントの価格は主にスペックで決まります。

  • エントリーモデル : 機能を絞り低価格に抑えた、初心者向け
  • ミドルモデル   : 性能と価格のバランスの取れた、こだわりのある中級者向け
  • ハイエンドモデル : 高い性能と品質を求める高価格帯で、プロユーザー向け

デザインで選ぶ

キャンプを楽しむためには、自分が気に入った道具を使うのも大事なポイントです。フォルムやデザインにこだわって、他の人と被らないテントを選んで自己表現してみるのもオススメです。

最低限の機能・安全性があるか、商品スペックやレビューを見て確認しておきましょう。

まとめ

テント選びは、キャンプの快適さを左右する大切なステップです。失敗しないためのポイントを振り返りましょう。

テント選びのチェックリスト

  • 形状を知る:設営のしやすさならワンポール、広さならドーム2ルーム、手軽さならワンタッチがおすすめ。
  • 素材を考える:軽さ重視ならポリエステル、焚き火を楽しみたいなら火の粉に強いポリコットン(TC)が安心。
  • 機能性を確認:雨天を想定して耐水圧1,500mm以上を目安に。結露対策としてベンチレーション(換気口)の有無も重要です。

迷ったときの選び方

  1. 人数:ゆとりを持って「使用人数 + 1〜2人分」のサイズを選ぶ。
  2. 季節:夏は通気性重視、冬は冷気を防ぐ「スカート付き」を。
  3. 直感:最後は自分の好きなデザインで選ぶことが、キャンプを楽しむ一番の秘訣です!

まずは自分のスタイルに合った一張りを見つけて、最高のキャンプライフをスタートさせてください!

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